学校と同じように、塾も宿題を課します。これは、宿題で復習時間を確保することが出来るからです。実は宿題にはノルマが決められていないことも多く、大手の塾では「できるところまで」という漠とした宿題が罷り通っています。これでは子どもたちが遊ぶ時間が無いと思われるでしょうが、塾の方針は、子どもの志を高めることにあります。子どもたちは10歳前後なのですから、人生設計の中に受験を位置付けることなどできません。ですから、いかに数年後の受験が大切で、且つ大変なものなのかを、こうした形で教えてあげるのです。もちろん宿題だけで、子どもたちが大人の認識を実感できるわけではありませんが、怠けてはならないのだということを、何となく感じるものです。とにかく目の前の宿題をがむしゃらに解いて、大人たちの言うことを聞こうとする子どもたちがほとんどです。
宿題の量に制限はない一方、講師は適量がどれくらいか、アドバイスすることがあります。子どもたちはそのアドバイスに従って、スケジューリングまでこなします。ルーティン化に成功した子どもはそれを続けますし、続けられなくても、またアドバイスを受ければよいのです。確認テストまでには1週間の余裕がありますから、努力すれば良い点が取れ、さぼれば取れないことを実感することになります。それが繰り返されると、どの子どももルーティン化に対して積極的になります。
子どもの性格は色々ですから、塾もなるべく一律に課したくはないところですが、試験は平等に課されます。賛否はあるでしょうが、現在の塾は小テストと宿題とを上手く利用して、コンスタントに勉強させることに成功しています。