二つ目の理由は、そもそも公立の中学に行かせたくないために受験をして私立、国立の中学校に行かせる家庭が増えているからです。ゆとり教育実施以来、公立の中学の教育を不安に感じる家庭が多くなっているのが関係しているとされています。加えて、公立の中学は、私立や国立の中学と比べて荒れているという考えがあって、公立の中学には不信感があるから行かせたくないと思っている家庭がここ最近増えていますし、さらに学力の低下を懸念する家庭も多いです。この二つ目の理由は、先ほどの一つ目や後述する三つ目とは受験の臨み方がかなり違います。消極的な理由のグループと呼べるかもしれません。
三つ目の理由は、私立の中学校には歴史があるところが多く、その伝統のある校風が魅力的に映り、是非我が子にも、と考えるからです。たしかに、私立中学・高校には創立数十年、あるいは100年以上という学校も多く、これらには語り継がれてきた教育理念が確立されていることがほとんどですし、教員にも卒業生が採用されるパターンも多いので、子供にその伝統を味合わせてやるにはうってつけの環境です。また、宗教系学校、特にミッションスクールなどが多いのも特徴と言えるでしょう。これらの学校もまた歴史のある宗教に関わっていますし、しっかりしつけてくれるだろうと思って入れる親もいます。そして、確立された教育理念のもと、中高一貫で教育をしている中学校もたくさんあります。どのような教育をされるのか自分で考えて選びたいと考える子供たち、そして父兄が多くなっているのです。二つ目の理由と比べると、こちらの理由は積極性のある理由であると言えるでしょう。