「学歴」を上回る「塾歴」

名門校と呼ばれるほどの進学校に通っている生徒にとっても、塾の受験指導力は大きな意味をもちます。
実際、東大をはじめとする難関大学の学生に話を聞くと、「大学受験のことだけでいうならば、学校より塾のほうが役に立った」という意見が大半です。
たしかに、名前のよく知られている名門校では、学校で受験勉強のやり方を事細かに指導しないという点が共通しています。
宿題も多くはないし、放課後の強制補習も制度としてはほとんどないのですが、その分生徒たちは、
自分の学習スタイルに合った塾を上手に利用して受験を乗り切るのです。

毎年春先に、週刊誌が高校別の東大合格者数ランキングを発表し、どこの高校がランキングを上げたとか下げたとかが話題になりますが、
実際そのような学校に入ったところで、ほとんどの生徒は、受験勉強を塾でしているのです。

こう考えると、大学進学実績で学校を選ぶことはバカげているように感じられます。
いい大学に行きたいのであれば、自分の学習スタイルに合う塾に通えばいいだけの話なのです。
いい大学への合格だけを目指すのであれば、学校など通わず、脇目もふらず、毎日塾に通っていれば最も効率がいいということです。
そんなことをしても何の意味もないことは言うまでもないのですが。
こうしたことから、進学に関してだけいえば、「学校歴」よりも「塾歴」だといえます。

とはいっても、学校には学校の役割があり、塾には塾の役割があります。
進学名門校のスタンスは、自分なりの生き方や学習スタイルを見つけられる自立性の高い部分が良いとも言えますので、
塾と学校それぞれの利点を生かして、それぞれの効率の良いやり方を検討していくことが大切でしょう。